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2009年8月12日 (水)

今の地方分権の議論って!@三田の我が家

「衆院選マニフェストを斬る~政権担当能力を問う~」と題された、アカデミーヒルズ主催の無料イベントが、六本木ヒルズ49階で行われました。会場の500席が満席になった他、中継のニコニコ動画で1万3千人が視聴していたそうです。

パネルは、竹中平蔵率いるチーム・ポリシーウォッチの全メンバーと、自民党、民主党の参議院議員が1名づつ。配布資料は両党のマニフェスト。

議論は両党の成長戦略、財源、財政再建、雇用問題、財政のムダ支出削減、そしてようやくラストに政策決定過程と地方分権、とさすがに経済財政政策に集中しました。自民党のマニフェストもゆるいが、民主党はもっとひどい、と民主党マニフェストが集中砲火に。これは私も当然、と思います。私は経済政策については、本当にど素人ですが、とてもへなちょこな会社を経営する身。お金の話は絵空事じゃないんだよ!ってさすがに突っ込みたくなります。

私の関心分野は、「政治主導」の政策決定過程の改革と地方分権ですが、最後に松原聡先生がコメントしてくれてよかったです。このお方は、日本郵政株式会社の取締役でもあり、郵政民営化の過程で、すごくめんどくさかったであろう契約関係の見直しをすごく緻密かつ丁寧に行い、検証結果をとても明快に説明してくれて以来、リスペクト♪しているのです。

松原先生、私もすごく気になってたことをビシッと言ってくれました。それは、小沢一郎が提唱してきた「300の基礎自治体」構想はどこに行っちゃった?ってことです。私の適当な記憶をなんとなく掘り起こせば、全国の市町村を300程度の自治体に再編し、これらに政令市レベルの権限を持たせる、という議論は、衆議院に小選挙区制度を導入した当初からあったはずです。私の当時の印象ではそのうち小選挙区がそのまま自治体になればいい、みたいな勢いもあったような。

大前研一率いる一新塾が「道州制」論を展開したのは、その後だと思います。しかし大前研一の道州制は、基礎自治体についての具体的な規模とかのイメージはそんなに明確ではなかったと・・・。住民参画とか、特定のキーワードはありますけど。

民主党が「300基礎自治体」構想を取り下げたのは、つい数ヶ月前のこと、と探してみたら、東国原知事のブログにあっさり見つかりました。

http://ameblo.jp/higashi-blog/entry-10293303961.html

なるほど~地方分権の受け皿となるべき基礎自治体構想が、市町村合併という何とも微妙だが、レベルの全然違う議論とごちゃ混ぜになってしまっていたのかぁ~。選挙が近くなり、目の前の批判を恐れて、あっさりと民主党は撤回したのかな。

私の持論:道州制及び基礎自治体への権限委譲の議論は、市町村合併とか、広域自治体合併とかのレベルの話ではありませんよ!日本の統治機構全体のあり方を、まさに根本から組み立て直す議論であるべきなのです。

最近、地方分権論がTVでも当たり前に議論されるようになって喜ばしい限りなのですが、それこそ立ってる地平が違うと、議論はぜんぜんかみ合わなくなります。

8月2日の「サンデープロジェクト」に、橋下大阪府知事、中田横浜市長、河村名古屋市長、そして猪瀬東京副都知事が出演していて、地方分権をテーマに、かみ合わない議論を重ねていました。敢えて?かみ合わせない司会の田原さんも、逆にすごい、と見ていたのですが、かみ合わないなりの対比が面白かったです。

猪瀬副都知事は、あくまでもリアリスト。現在の制度の中で、短期中期的スパンから、国の権限をいかに地方に委譲していくかの現実的な道筋が、猪瀬さんにははっきり見えているようです。財源だけでなく、人材の委譲について明確に述べていたのは、猪瀬さんだけでした。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090811/173802/

そして河村名古屋市長。住民参画による地域密着型の政策立案・実行の具体案を挙げたのは、彼だけです。確か「学区単位の住民協議会」という、かなり明確な表現をしていました。

以上の二点、行政組織における権限委譲の受け皿となるべき“優秀な”人材確保と、基礎自治体よりさらに小さいミニマムな単位での住民参画の実現、というのは、2年前から温めている、自分の卒論テーマでもあります。その延長で、町会自治会研究、というのがあったりするのです。

基礎自治体をどう構築するのか、の議論から始めなければ、橋下市長らのいう「道州制」は結局、現実味のない議論に見えてしまうのです。

そういう意味では、自民党も民主党も、地方分権とか地域主権とかの実現を主張しながら、それが果たしてどんなものなのか、どのような制度改革で、どのように住民生活を変えるのか、という議論は大甘。というか、財源委譲の話ばかりで、その財源で何をどうしたいのかはノータッチ。地方に丸投げのつもりなのかな。

地方の人材の“優秀さ”をそんなに甘く見てはいけないです。我が師匠、片山善博先生も口をすっぱくして言っています。「ダメな地方には共通点がある。行政職員も、チェック機能を果たすべき議会も、どうしようもなく無能」だと。

そんな地方に、「主権」を任せたいのなら、地域の統治能力を高めるための政策を先に出さなければ。官民合わせて、地域ガバナンスの能力開発をしなければ。

あれ?チームへいちゃんの議論から、だいぶずれてしまったけど、それはそれでいいか…。

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コメント

唸声さま
中国の地方政府のことは、残念ながらよく分からないのですが…
「腐敗」というのは、中国では何のことでしょう?収賄とか、金銭が絡んだ官民の癒着とか、そういう犯罪行為のことでしょうか?

犯罪行為だとしたら、監視・告発・救済機能がきちんと整っていれば、国民の権利利益が侵害された場合でも、公正な裁判が可能です。日本の制度は、中央でも地方でも、それなりにうまく機能しているはずです…

犯罪行為がはびこるからという理由では、地方分権に反対する十分な根拠にはなりえませんよね。

「地方に何が出来るか」という疑問に答えるには、現在いわゆる「地方」の立法・行政機関にどんな権限があって、一体何をしているのか、そしてこれから将来にわたって何をすることを求められているのか、から入らなければならないのですが、いちから説明するのはすごく大変な作業になるので、ここではとりあえず、割愛させていただきます…。ちゃんと執筆すれば、ゆうに本一冊になると思います。日常生活の中で、広域自治体、基礎自治体の行っている仕事ってすさまじくたくさんあるのですけどね。

片山善博先生に、そういう教科書的な本を書いてくださいってお願いしているんですけどね…。

投稿: 龍之助 | 2009年8月14日 (金) 10時46分

地方分権がやけに騒がしいのですが、地方で何ができるのでしょうか?中国と日本は根本的に違いますが、中国の地方政府の腐敗振りはすさまじいものがあります。地方政府の優れているところは、賄賂の取り方でしょうか。これは中央政府に引けをとりません。

日本でも腐敗の二重構造になるだけなのでは・・・。

投稿: 唸声 | 2009年8月13日 (木) 21時31分

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